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うつ病の診断

うつ病という病気が広く一般に浸透し、「もしかして自分はうつ病かも?」と感じ、早期受診、早期治療を受ける人が増えたのは喜ばしいことだと思う。ただ、この「もしかして自分はうつ病かも」が「自分はうつ病だ」に自己判断で変わってしまっている人も少なくないのではないかと思う。

例えばインターネットにある、うつ病チェック。(どッかの誰かが以前作ったサイトにもあるわけだけれども) これは早期受診につながるという意味ではとても有効かもしれないが、検索エンジンで「うつ病 チェック」と検索する方のどれだけの人が客観的に利用できるのかという疑問が残る。

周囲に協力を頼める友人がいる人がいる方は是非お願いしてみて欲しいのだけど、健康な人にあれをやってもらってもかなりの確立で「うつ病の疑いがあります、一度病院に行ってみましょう」的なコメントが表示されるはずである。また、うつ病心の支え.ねっとにも掲載してあるアメリカ精神医学会(APA)が発行する精神疾患の診断・統計マニュアル-DSM-IV(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorder IV)-はあくまで医師の指針とするために作成されたものであり、非専門家の利用を禁止している。


ーうつ病になりたい!?ー
1年という短い間だけれども、私がサイトをずーっと見てきて感じる違和感がある。上手く言えないのだけれども、うつ病と診断される事を望んでいるのかな、ということ。うつ病だと診断された時の反応として、、①特に何も感じない ②ショックを受ける ③安心する の3個の可能性があると思うのだけど、③の安心するという人も少なくはないんじゃないかと。これがこの病気の不思議なところというか、変なところというか。例えば他の病気、癌や心臓疾患なんかを告知されて安心するという人はほとんどいないのではないかと思う。

とは言うものの、その気持ちが理解出来ないという訳ではない。うつ病がメジャーな病気となったとは言え、精神科の門を叩くのと内科にかかるのはやはり違う。何らかの問題、睡眠障害や不定愁訴、億劫感や意欲の減退等があって、それを治したいという気持ちで病院にいくわけだから、その原因をはっきりとしたいという気持ちは強く働いて当然である。

ただしうつ病でも他の精神疾患でもなく、怠けや社会的引きこもりと医師に言われてしまった場合、少なくとも私が見てきた中では「病院で酷いことを言われた」「あの医師は信頼できない」といった非難の感情・傷ついたという訴えになる場合がほぼ100%だった。

まぁ、何らかの問題があって病院に行っているわけだから「怠け」の一言で片付けられるのは確かに不愉快ではある。それを受け入れられる状態であればそれも的確な診断の一つなのでしょう。例えば今の私が「やる気が出なくて色々困ったことになった」と精神科に行ったとして「うつ病」だと診断しようものなら笑うしかない。私のは「怠け」である。ただし、社会的ひきこもりなどと告げられて医師を非難しているのを見ると何とも言えない気分になる。

社会的引きこもりはうつ病の症状と似ている部分が多々あり、間違われやすい病気の一つだといわれているが、その治療方法が違う以上医師の判断を素直に聞き入れる必要があると思っている。ここで感じることは社会的ひきこもりと告げられたとして、なぜそれが非難へとつながってしまうのかということ。やはりその背景には、「うつ病かもしれない」が「たぶんうつ病だろう」という思いに変わってしまっていて、様々な症状の原因を医師にうつ病と認めて欲しいという心理的変化があるように思えてならない。

これもサイトを見てきた限定的意見だが、次の流れとしては「あの先生にはひどいことを言われたので違う病院にいってみよう。行ってみたらどう?」的な流れである。これはある意味正解なのかもしれない。本人が酷いことを言われたと感じてしまった時点でその先生との信頼関係は成り立つはずもなく、他の医療機関を探したほうが懸命である。ただし、本当はここでセカンドオピニオンを利用してほしい(どーでもいいけど、オピニオンじゃなくてオピニョンだろといいたいw)。

さてさてこのセカンドオピニオン、間違っても自分で勝手に他の医療機関・医師に見てもらうことではないので注意して欲しい。セカンドオピニオンとは日本語訳すると、第二の意見といったところだろうが、第二の診察ではない。つまり主治医以外の医師に意見を求めることであり、その上で適切な治療を受けることを目的としている。具体的には主治医に紹介状を書いてもらう必要があるのだけど、この紹介状は正式には診療情報提供書と呼ばれ、症状や治療経過等が記載されている。新患として新しい病院を探した場合、まさしくゼロからのスタートである。また医師としても、自分以外の医師がどのような診断をおこなっていて、これまでにどのような治療をしてきたのかがわかるほうが、他の医師の意見を踏まえた上で自身の意見を言える、より的確な指針を作成することが出来るのである。

もしも自身がうつ病かもしれないと思っている方。その気持ちはそこで止めておいて下さい。いくらうつ病チェック等で可能性があると言われたとしても、それはあくまでも病院へ行く機会を与えてくれるものであり、その診断をしてくれるものではありません。そして、うつ病なんかならないほうが、うつ病ではないほうが何倍もマシだという事を忘れないで下さい。

医師に酷いことを言われたと感じたことのある方。気持ちに余裕のある時に軽い気持ちで考えて見てください。医師はなぜそのようなことを言ったのか、決して貴方を傷つける為にいったのではありません。医師の使命は最善の治療を行う事であり、貴方の希望する診断をしてくれる人ではないのです。そしてドクターショッピング。医師との相性はもちろんありますし、どうしても合わない事もあるかと思います。そんな時は出来るだけ紹介状を書いてもらいましょう。よりより治療を受けるために他の医療機関を探すのですから、紹介状があったほうがよりベターでしょう。

最後に。私個人として病名にこだわる必要はないと思っています。そもそも、医師が口頭で告げた病名や分類名は必ずしも本当のことではないという事を頭の隅にでも置いておいてくれればと思います。例えば妄想症の人に対して、「貴方の考えは全て妄想だ」と直接告げる事が治療するにあたり最善かと言えばそうではないでしょう。他の病気に関しても、本来とは違う適応障害や不安障害といった当たり障りのない病名を告げられていて、診断書を書いてもらった際に本当の病名を知ったという人も多いのではないかと思います。

大切なことは診断ではなく治療。その為には医師の指導に素直に耳を傾けること、そして一緒になって自身を悩ませる症状を乗り越えていくことなのではないでしょうか。

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